看護師に人気の転職

(北海道の報告は後日)熊本地震の際、動物園からライオンが放たれたという
デマが流されたのは、記憶に新しい。実際にそんなこと起こるわけがないとわ
かっていても、地震そのものが非常事態なので、デマの情報をキャッチした地
域住民は動揺してしまう。いまはSNSで容易に情報が拡散するから、なおさ
らたちが悪い。それを防止する方策として朝日新聞では「影響力を持つ人に情
報を発信してもらう」「スルーする力を身に付けることが大事」という専門家
のコメントを紹介していた。でも、本当にそれで歯止めが利くのだろうか。


 原発事故のとき、「うがい薬を飲めば放射線の被曝を防げる」というデマが
流された。それを信用した人は少なかったと思うが、残念ながら当時の枝野官
房長官のコメントも、放射線防護の専門家のコメントも信用されたとはいいが
たい。むしろバッシングの対象になり、今でもそれを引きずっている避難者だ
っている。いくら「自然界にも放射線は存在する」と説明しても、下手をする
とそれがデマだと受け取られかねない。人間の感情というのは本当に難しいも
のだ。


 震災のとき、津波の情報をSNSで流した人も少なくなかった。「10mを
超える津波がくるから避難しろ」と言われても、まさかそんなと逃げ遅れた人
もいたはずだ。私らマスコミ人にとっていちばん大切な資質は野次馬根性だ、
とよく言われる。火事でも殺人でも関心を持てという意味合いがあり、もしあ
のとき私が海岸線の近くにいたら、好奇心で近づいていた可能性は否定できな
い。だからデマにどう対処すべきか語る資格はないのだが、福島のマスコミ人
としては淡々と事実を伝えていくしかないのだろう。